• 金. 4月 26th, 2024

奄美大島「立神(たちがみ)」

『ネリヤカナヤからやってくる神様にとってその岩は道しるべ』

奄美大島で「立神(たちがみ)」と呼ばれる巨岩はそんな伝説をまとって佇んでいる。

シマ(集落)からほど近い沖合に浮かぶ小島である立神には神様が最初に立ち寄ると言われ、いにしえから信仰の対象とされてきたそうだ。海に浮かぶ、そのおごそかな聖地に近づいた人々の中には、得も言われぬパワーを授かる者も多いと聞く。

立神の名は1700年頃には既に奄美の各地に存在していた。

航行の指標ともなっていただろうその岩は、奄美大島の沖をぐるりと囲み、まるで外からの邪気が侵入するのを守っているかのようだ。

とある口承によれば、奄美という島はプカプカと海に浮いているのだ、という。

そこで波や風にさらわれないために立神が鋲の役割を果たしているのだそうだ。

奄美大島配置図と、とある立神

奄美には上記の様な伝承が残っていた。

この立神信仰。『タチガミ』。まさに日家村、唐津山のタチイワ信仰にも繋がる名である。

甑島では善太がタチイワを伝え、『竪岩・タテイワ』になった。

写真が甑島の竪岩である。

奄美にも、日置から人が渡って、タチイワを伝え、タチイワ神、が訛り『立神・タチガミ』となった事は自然な成り行きであったと言える。

時期的にも重なる部分が多いのだ。

下甑瀬々野浦の信仰対象だった海上の岩「ナポレオン岩」の写真

瀬々野浦の人々の信仰と、奄美の立神信仰は近いものであった可能性も考えられる。

離島に住む事の厳しさなどは、当然ながら共通していたのかもしれない。

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